電験三種合格 僕にもできた転職

電験三種に4ヶ月半で一発合格。資格勉強の記録。何かのきっかけになれば幸いです。

電験三種 合格

電験三種を取得して

 

 2018年に電験三種に合格してからもう2年が経ちましたが、改めて電験三種を取得してよかったと思っています。電験三種に合格してから設備管理の仕事に就職することができましたし、設備管理の経験を積む上でも電験三種がすごく役に立ちました。電気に関しては全くの素人だったのですが、電験三種を持っていることで少しは電気の知識があることの証明になりましたし、実務で電気に触れる機会では怖さもありましたが楽しみながら学ぶことができました。

 

 これから電験三種を取得しようとされている方にとって、少しでも今後の勉強のお役に立てればと思っております。電験三種を取得する目的や状況は、人それぞれだと思います。何よりも大事なのは勉強しようと思い続けることです。そして電験三種を勉強した時間は、自らの財産になることは確実です。


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 僕は2018年10月19日、見事念願の第三種電気主任技術者に合格いたしました。正直なところ、9月2日の試験日に試験を終えた時点では、「こりゃあ絶対に不合格だ、また来年受けても無理なんじゃないか」と思うくらいに手応えがありませんでした。もうすでに1時限目の理論課目を終えた時点で、「こんなにも難しい試験を必死に頑張っているのに、なんて落ち着いているんだ」と試験官に敵意を抱くぐらいのありさまでした。完全な八つ当たりですね(笑)。試験が終わってから家に帰ってもしばらく放心状態だったと思います。疲れ切っていたという感じでしょうか。

 

 記憶が確かではないのですが、試験当日の夜にはインターネットで解答速報が出ていたような気がしますが、どうせダメだろうと思っていたので、ストロングゼロか何かでお疲れ様ですの一人打ち上げをしました。なんとか緊張を解きほぐして勇気を振り絞って自己採点しました。

 

 ほんとに何度も自己採点し直しましたが、なんと合格基準点以上の点を取れていました。ただ普段の資格試験であればしっかりと最後にマークミスがないかをしっかり確認し、問題用紙へチェックした解答に間違いがないかも確認するのですが、電験三種の試験では疲れていたこともあり、記憶が曖昧で問題用紙と同じ選択肢にマークできていたかは定かではありませんでした。

 

 ちなみに自己採点の結果は、

 

理論 60 電力 65

機械 60 法規 62

 

 という点数でした。自己採点通りなら合格できるはずですが、試験結果が発表されるまでは安心できませんでした。今でもあの時の緊張感や不安はすごかったと思います。本当に合格できてよかったです。

 

試験挑戦時の学力

 

  電験三種は難しい試験だという人もいれば、簡単だという人もいますが、試験を受ける時にどのくらいの知識や経験があるかによって違ってくるからだと思います。そこで僕が試験勉強を始めた時の学力、特に電気の知識レベルについて、簡単ではありますが紹介しておきたいと思います。

 

 僕は中学や高校まで数学や理科は好きで、国語や古文漢文が嫌いだったので、いわゆる理系だったと思います。理科については高校1年生は化学のみで、2年生の1学期で物理と生物を習い、2学期から選択する方式でしたが、生物を選択したために物理はさっぱりわかりませんでした。もちろん電験三種で基本である電気については、A(アンペア)やΩ(オーム)も言葉の響きしか知らない程度でした。ましてや高校で勉強したのも20年以上前の話なのですから、解の公式や微分積分もすっかり忘れていました。

 

 そんな状態ではあったのですが、何か手に職をと思い2018年の2月に消防設備士乙種4類を受験したのですが、その時に電気の基礎から少し勉強しました。オームの法則や直流と交流など基本的ではありますが深いテーマではあります。ここで電気に興味を抱き電験三種を取得したいと思い始め、実務的な基礎知識も必要になると思いポリテクセンターで電気通信や施工技術などの職業訓練を受けながら、第二種電気工事士工事担任者AIDD総合種の資格取得した後、転職しようと決意しました。

 

 この通り僕は電気に関する知識はほとんどない状態でした。電験三種に合格するために初めから知識は必要ないかと思います。それでもやはり合格することができたのは、本当にありがたいことだなと思っています。

 

職歴・動機 

 

 電験三種の試験勉強を始めるまでの職歴や試験の動機について紹介したいと思います。

 

 まず高校ですが、地方の普通科高校に進学したのですが、恥ずかしながら中退しています。ただ高校3年生の冬に中退しましたので、ある程度高校の勉強内容は学習しました。それからしばらく25歳頃までは大学に行きたいという希望を捨てることができませんでした。今想像すると、みんなが大学に進学しているのに自分だけ行けなかったのが嫌だったと思いますし、劣等感のような他人とは違う生き方をしていることに引け目を感じていたから諦めることができなかったのだと思います。

 

 生活の方はというと、当然正社員での就職は無理だろうと思いアルバイトを始めました。大手運送会社の荷物の仕分けの仕事でした。夕方から夜までの短い時間でしたが社会に出て給料をもらってはいながらも、同級生との生活の違いに落ち込み、現実と向き合うことが辛かったように思います。その後もアルバイトでなんとか生活するために深夜の棚卸や他の大手運送会社の仕分けや製薬卸会社の仕分け、引っ越し補助や倉庫内ピッキングの日雇い労働など単純労働と言われている仕事をたくさんしてきました。生活は苦しい状況が続きました。

 

 そんな中、24歳の時に入社した短期のアルバイトの会社で、長期で働かないかと誘ってもらうことができ、約8年間その会社で働くことができました。1年、2年と経過するうちに、金銭的に余裕が持てるようになりました。新しい服や靴を買うことができるようになったり、三人暮らし風呂なしの2Kのアパートから、自分の部屋のある1戸建ての家に引っ越すこともできました。職場で彼女もできました。気持ちにも余裕ができたこともあり、将来のことを考えるて自分のスキルアップを気に掛けるようになりました。

 

 8年勤めた会社では正社員登用制度があったのですが、恥ずかしながら2度もネットで受験する1次試験で落ちました。その翌年2017年には1次試験対策の通信講座が開設されたので、1万円もしましたが受講しました。それまでは1次試験は時間切れで、最後まで回答できなかった状態だったのですが、通信講座を受講したことで最後まで回答できるようになった上に、自分の感覚ですが正答率も7、8割にまでなりました。ところが本番も同じように回答できたのですが、結果は不合格というものでした。何となく正社員登用制度自体が出来レースな感じがしていましたし、会社からの評価もあまり期待できるものではないなと思っていました。自分よりも経験の長い方が多くいたこともあるし、普段の仕事の中でも上司からの評価をあまり気にせずに働いていました。

 

 その頃にはすでに、今回正社員登用試験がダメなら会社を辞めようと思っていましたので、意外にも不合格という通知をもらった時はスッキリとした気持ちでした。正社員登用試験には落ちましたが、その一方で勉強して結果が出るのはやっぱり楽しいなと再認識することが出来ました。自分が努力したことで結果が変わってくる感覚は、それまでにはあまり経験がなくうれしい体験でした。これからは自分で切り開く、新しい人生が始まるんだという幸福感がありました。

 

 まず転職に向けて自動車免許を取ることにしました。僕の家庭では自家用車がなかったからかもしれませんが、まず僕自身が車を運転したいという欲求がなく、車を持っている家庭はある程度経済的に余裕のある家庭だという思い込みもあったためか、それまで自動車免許を持とうと強く思うことがありませんでした。経済的にいつも厳しい状態だったので諦めていたというのもありました。AT限定で料金は30万円もしましたが、僕にとっては大きな決断したことで少し自信を持つことができました。仕事をしながら教習所に通うのはなかなか大変でしたが、彼女の応援や職場の方の励ましもあり2ヶ月ほどですんなり取ることができました。

 

 教習所に通う間に、どのような仕事に転職できるのかを調べていました。その中で電気工事士が不足するという記事を多く見たことで、資格というものに対する興味が湧いてきました。資格がないとできない仕事が意外とたくさんあるのだなと。勉強自体は好きでしたので、スキルアップになるし何かに取組むことが今後のためになると思い、電気工事士とも相性のいい、消防設備士乙種4類を受けることにしました。それから消防設備士乙種4類の資格を目指して勉強しながら、今後の計画を練っていきました。

 

 転職して新しいことに挑戦してみたいと思っていたので、設備管理の仕事や電気工事士、介護関係の仕事、プログラミングの仕事などを調べているうちに、先ほどの消防設備士乙種4類の勉強の中で電気を少し勉強したところ、電気って何だろうおもしろいなと思いました。できれば電気関係の仕事に就きたい。その中でも設備管理の仕事に興味が湧き、そこで電験三種の存在を初めて知りました。電験三種は難しい試験ではあるものの、その資格を取ることである程度転職する会社へのアピールになり、今後の電気関係の仕事での基礎知識にも役立つのではないかと思い、電験三種を取りたいと強く思うようになりました。

 

 消防設備士の勉強をするうちに電気に対する興味はどんどん強くなり、転職するための具体的な方法を考えて、職業訓練を調べました。消防設備士の勉強をしていた頃は、電気工事士電験三種が取れれば設備管理の仕事に就きたいと思っていたのですが、資格があっても経験がない人は就職は難しいというネットの情報が多かったり、自分でもそうだろうという不安があったので、職業訓練(ポリテクセンター)では、電気工事士にも設備管理にもどちらの就職にも可能性が広がる電気施工技術科を受講しようと思いました。

 

 消防設備士乙種4類は申し込みが11月で試験日が2月でしたので、仕事を続けながら食事休憩の時間や通勤のバスの中で勉強をし、たまに家でも勉強するという方法でした。合格発表の3月に無事に合格を果たした直後に会社へ退職届を提出しました。職場の同僚には消防設備士の試験を申し込んだ11月には転職すると話していたし、2月には会社の直属の上司に退職を考えている旨を話していたので、試験に落ちたらどうしようと内心ひやひやしていましたが。

 

 合格がわかり退職届を提出した3月末には今後の予定を立てていました。

  実際には、第二種電気工事士の試験は思ったより内容が簡単で、過去問題集を2、3回する程度で7割から8割の得点がとれるようになり、4月の下旬頃には勉強をある程度終えていました。計画を立てることは大事だなと思いました。特に焦りを感じずに勉強を進めることができました。工事担任者AIDD総合種の試験は範囲も広く感じ、アルファベットの羅列が多かったため憶えるのに苦労しました。

 

 電気の勉強は消防設備士の試験から少しずつレベルアップしていて、電験三種の勉強も若干少なくて済んだかもしれませんが、4月の下旬頃から始めて合計で420時間くらいになりました。電気素人の僕にとっては、とても長く苦しい時間でした。こんなに長時間勉強したことはありませんでした。こんなにも勉強の苦しみに耐えたことはありませんでした。このようなとてもいいとは言える環境ではなくとも電験三種に合格することができました。

 

 電験三種は誰でもやればできると言いたいところですが、僕の場合はほぼ運で受かったようなものだと思っているのでやれば誰でも合格できるとは断言はできません。皆さんそれぞれ働く環境や育ってきた環境もちがいますので、電気の知識があるかないかでも大きく合格できるかどうかは違ってくるでしょう。ただ試験は選択式なので、少しでも選択肢を絞ることができれば合格する可能性は高くなります。ちなみに勉強が足りず全くの勘で答えた問題が各科目に3つか4つはありましたが、ことごとく不正解でした。

 

 電験三種の試験は勘は通用しません。また電験三種を取得して転職や今の仕事で必要な場合のためにも、しっかり納得のいくまで勉強することをお勧めします。


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最後に

 

 このブログが、電験三種を取得することを考えている方々の何かのきっかけになればうれしく思います。とても辛い勉強の中にも、喜びを感じられる瞬間が必ずありますので、挫折しそうになった時は、同じ境遇の方の意見を参考にしたり相談したり、たまには思い切って、リフレッシュしてみてください。

 

 2022年度からは年2回の試験に制度が変わったので、挑戦しやすくなったのではないかと思います。少しずつの努力の積み重ねで、よりよい人生になっていきたいと僕自身願っております。みなさんもお体には気を付けて、楽しい人生を。最後まで読んでいただきありがとうございました。