電験三種 参考書
参考書選び
僕が実際に使った参考書は、実教出版の徹底解説テキスト(平成30年度版)です。
この参考書を選んだ理由は、Amazonのカスタマーレビューが少なくて迷ったのですが、表紙のデザインがシンプルだったことと、例題が多く章末問題が充実していることでした。また他の人気がある参考書は字体やイラストが、どうしても好きになれず、内容が難しすぎたり少なすぎるといったカスタマーレビューがあったので、実教出版の参考書を選びました。
さらにWebサイトで、過去問題の解答・解説や模擬問題を見ることができたこと*1も理由の1つでした。実際に参考書を見た感想は、シンプルでページ数も程よい感じでしたので、これなら頑張れそうだなと思いました。
個人的な意見かもしれませんが、参考書はよく選んで購入したほうがいいと思います。問題が多過ぎたり少な過ぎたり、絵や図がなく理解しづらかったり、語呂合わせなどが邪魔だったりと、自分の好みに合わないところがあるとストレスが溜まります。難しい問題などで煮詰まっている時に爆発しかねません。
どうしても自分に合わないと思ったら、違う参考書に切り替えるのも一つの手かもしれません。
参考書
僕が使用したのは実教出版ですが、解説が詳しくて本当に理解したい方のために、完全マスターシリーズをお勧めします。超難しいと聞きましたが…。おそらくボリューム内容としては最強です。
それでは各科目ごとに紹介します。
理論
理論科目の試験内容としては、以下の通りです。
- 電気理論
- 電子理論
- 電気計測及び電子計測
実教出版では6章で構成されており、以下の通りです。
- 直流回路
- 電気と磁気
- 静電気
- 交流回路
- 電子理論・電子回路
- 電気・電子計測
どれも難しいのですが、まず交流回路を乗り切るのが大変でした。とにかく数をこなして慣れるしかないのでしょうか。個人的には後半へ進むにつれて難易度が上がります。電子理論・電子回路もイメージが難しくて大変でした。ある程度自分の得意な分野と苦手な分野がわかってくると、対策を絞れるので6章で構成されていてよかったと思います。
電力
電力科目の試験内容としては、以下の通りです。
- 発電所及び変電所の設計及び運転
- 送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料
実教出版では8章で構成されており、以下の通りです。
電力は興味を持ちながら勉強できました。発電の仕組みは単純に興味がありました。水力、火力、原子力、その他の発電それぞれの仕組みを簡単に理解して、出力や効率などを求めたりしますが、例題や章末問題を解いていくことで正解を導けるようになると思います。送電線路、配電線路の分野が難しく苦労しました。この分野は法規にも関わってくるので、しっかり理解を深めておきたいところです。
機械
機械科目の試験内容としては、以下の通りです。
- 電気機器
- パワーエレクトロニクス
- 電動機応用
- 照明
- 電熱
- 電気化学
- 電気加工
- 自動制御
- メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
実教出版では11章で構成されており、以下の通りです。
- 変圧器
- 直流機
- 誘導機
- 同期機
- パワーエレクトロニクス
- 照明
- 電気加熱(電熱)
- 電動機応用
- 電気化学
- 情報伝送・処理
- 自動制御
機械は本当に難しかったです。全て難しかったです。変圧器、各電動機、自動制御、パワーエレクトロニクス、どれをとっても難しい。ひたすら章末問題や過去問題集を解いて、答えを導き出すための公式を憶えることに専念しました。直流機、誘導機、同期機の違いや、自動制御のフィードバック、ブロック線図や、半導体の仕組みなどは重要だと思います。図を見てイメージを描けるほうがいいと思うので、YouTubeの電験合格を見ることをお勧めします。
法規
法規科目の試験内容としては、以下の通りです。
- 電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理
実教出版では3章で構成されており、以下の通りです。
- 電気事業法と関係法規
- 電気設備技術基準の解釈
- 電気施設管理
法規は暗記要素が多く、計算問題の割合が低く感じるかもしれません。暗記が得意な方には有利かもしれませんね。僕は暗記が苦手なので本番はとても緊張しました。直前1ヶ月に集中するのもいいと思います。せっかく憶えたのに忘れてしまうのはもったいないですので。とにかく憶えることが多いですし、似たような言葉や数字が多いのが難しいかもしれませんね。僕はほぼ計算問題で合格できたと思います。それでは法規科目の計算問題の重要性について説明したいと思います。
各科目にはA問題とB問題があります。A問題は14問。B問題は3問あるのですが、1問の中に(a)、(b)の2問があります。配点はA問題が「1問5点×14=70点」、B問題は(a)、(b)が各5点で、「1問10点×3=30点」です。ところが法規だけは問題数が異なっており、A問題10問、B問題3問です。配点はA問題「1問6点×10」、B問題の問11・12は(a)6点、(b)7点、問13は(a)、(b)ともに7点となっています。少しわかりにくいかもしれませんが、B問題に着目すると他の科目は3割なのに対し、法規は4割です。すなわち法規はB問題の占める割合が大きいのです。当然問題数が少ないため、一問一問の重みも違ってきます。ただ僕が強調したいのは、法規のB問題は例年同じ傾向の問題が多く、対策しやすいため得点源になる可能性が高いということです。
※あくまでも傾向ですので確実ではありません。
電気数学(持ち運び用)
僕は高校時代、数学が好きだったのですが、解の公式からベクトル、複素数、微積分などすっかり忘れていたので、わからないことがあった時のためや移動中にすぐに見れるように、手のひらサイズの参考書を購入しました。
必要な定理や公式も載っていて、μ(ミュー)やε(イプシロン)など文字の読み方を忘れた時に役に立ちました。高校で習った数学を、一から勉強し直すのも面倒だなと思ったので、ちょうどよかったと思います。簡単な電験三種の例題もあるので、移動時間にチェックするのにもよかったかなと思います。
因みに微積分は使わずに電験三種は合格しました。20年前で言うと、数IA、数IIBぐらいの知識で合格できると思います。
過去問題集
過去問題集と言ったらこれしかないのではないでしょうか。重量感が堪らないです。ひたすら過去問を解くのみですね。過去問はインターネットでも探せるとは思いますので、希望される方のみでいいと思います。ただ解説がしっかりしているものを選んだほうがいいと思います。何でもやることも大事ですが、見返して次に活かすことのほうが重要かもしれません。
電験合格 YouTube
何度も紹介しましたが、本当に人から教わると自然に理解できたり、違う角度から見ることができたりしますので、もし行き詰ったら、YouTubeの電験合格を見ましょう。
*1:現在諸般の事情により、過去問題の解答・解説は平成14年~29年度のみ。模擬問題は利用可。